不採用の連絡は、採用・不採用を決めたらできるだけ早く、結果にかかわらず応募者へ伝えるのが基本です。 ハローワークインターネットサービスは、事業主に対し、採用・不採用を決定したら速やかに応募者とハローワークへ連絡するよう求めています。不採用の理由を本人に伝える義務を定めた法令はありませんが、ハローワーク紹介の応募者については、選考結果の登録でハローワークへ不採用理由を示す必要があります。

この記事では、不採用を伝える時期と方法、理由の扱い、応募書類など個人情報の保管と破棄の考え方、ハローワーク紹介の場合の手続きを、厚生労働省の資料にもとづいて整理します。


1. 不採用通知で最初に確かめること

不採用の連絡を書く前に、次の2点を確かめます。

確かめること理由
応募の経路(ハローワーク紹介・求人サイト・自社募集など)ハローワーク紹介の場合は、マイページでの選考結果登録という別の手続きが必要になる
社内での不採用理由の整理本人に伝える・伝えないにかかわらず、採否の判断根拠を記録として残しておく

社内の判断根拠は、求人票の必須条件・評価項目に照らして記録しておきます。面接の評価基準の決め方は面接の質問の作り方で整理しています。


2. 不採用の連絡はいつ・どう伝えるか

連絡の時期

ハローワークインターネットサービスの「求人申込み手続きの流れ」は、事業主に対して次のように求めています。

採用・不採用を決定したら、結果にかかわらず速やかに応募者とハローワークに連絡してください。

「速やかに」の具体的な日数を定めた法令はありませんが、合否を伝える時期は、面接の場で応募者に伝えておくと、応募者を長く待たせずに済みます。応募者は複数社の選考を並行して受けていることが多く、連絡が遅れるほど、他社の内定を先に受けてしまう、あるいは不信感を持たれるといった事態につながります。

連絡の方法

方法向いている場面
メール・書面記録を残したい場合、応募者数が多い場合
電話面接まで進んだ応募者、丁寧な対応をしたい場合

不採用のメール・書面に入れる要素は次のとおりです。

  1. 応募への感謝
  2. 選考の結果(不採用である旨)
  3. 応募書類の取り扱い(返却するか破棄するか)
  4. 問い合わせ先

本人の適性・能力に関係のない理由(家族状況や思想信条など)を匂わせる表現は使いません。公正な採用選考で避けるべき事項は公正な採用選考とはで整理しています。


3. 不採用理由を伝えるかどうか

応募者本人に不採用の理由を伝えることを義務づけた法令の定めはありません。理由を尋ねられた場合にどこまで答えるかは、各社の判断になりますが、次の点に注意します。

  • 答える場合は、本人の適性・能力に関する理由(求人票の必須条件に対する不足など)にとどめる
  • 本籍・家族・思想信条など、就職差別につながるおそれがある14事項に触れる理由は口にしない
  • 回答するかどうか、どこまで答えるかの方針を、問い合わせを受ける前に社内で決めておく

就職差別につながるおそれがある14事項の内容は公正な採用選考とはで一覧にしています。


4. 応募書類など個人情報の保管と破棄

求人者等が求職者等の個人情報を取り扱うルールは、職業安定法第5条の5と指針(平成11年労働省告示第141号)に定められています。指針第五は、次のことを求めています。

定め内容
収集業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集する
保管・使用収集目的の範囲内に限る
適正管理収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を、破棄または削除するための措置を講じる

指針は「破棄または削除」を求めていて、応募者本人への返却までは明示していません。履歴書などの応募書類を返却するか破棄するかは各社の判断ですが、トラブルを避けるため、募集の段階や応募書類を受け取る際に、不採用の場合の扱い(返却する・返却しない)をあらかじめ示しておくと実務上の混乱が少なくなります。

採否にかかわらず、保管する必要がなくなった個人情報は、速やかに破棄・削除する体制を整えておきます。


5. ハローワーク紹介の場合の手続き

ハローワークの紹介を受けた応募者、またはハローワークのオンライン自主応募の応募者については、求人者マイページから選考結果を登録します。

結果マイページでの入力項目
採用雇用(予定)日、労働条件の相違の有無(相違があれば内容)、採用理由
不採用不採用理由(複数選択可)、詳細説明

登録後は、応募者本人にも速やかに連絡します。採用の場合は、雇用契約書・労働条件通知書もあわせて示します。労働条件の示し方は募集時の労働条件の明示で整理しています。

マイページでの選考結果登録は、求人の有効期限が切れてからおおむね3か月(翌々々月末)を過ぎるとできなくなります。この期限を過ぎた場合は、求人を紹介したハローワークへ電話などで直接連絡します。


チェックリスト

  • 採用・不採用を決めたら、速やかに応募者へ連絡する運用にしている
  • 合否の連絡時期を、面接の場で応募者に伝えている
  • 不採用理由を伝える場合の方針(答える範囲)を社内で決めている
  • 不採用理由に、本人に責任のない事項や思想信条に関わる内容を含めていない
  • 応募書類の返却・破棄の扱いを、募集や応募書類受け取りの段階で示している
  • 保管する必要がなくなった個人情報を破棄・削除する体制がある
  • ハローワーク紹介の応募者について、マイページでの選考結果登録(不採用理由の入力を含む)を行っている
  • マイページでの登録期限(求人無効後おおむね3か月)を過ぎた場合は、ハローワークへ直接連絡している

まとめ

  • 不採用の連絡は、結果にかかわらず速やかに行う。連絡時期は面接の場で伝えておく
  • 応募者本人に不採用理由を伝える法令上の義務はないが、答える場合は適性・能力に関する理由にとどめる
  • 個人情報は収集目的の範囲内で保管・使用し、必要がなくなれば破棄・削除する
  • ハローワーク紹介の場合は、マイページでの選考結果登録で不採用理由の選択・入力が必要
  • 登録期限(求人無効後おおむね3か月)を過ぎたら、ハローワークへ直接連絡する

参考資料